SPECIAL
02

幸せを感じた
五島列島家族の旅

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MAI FUJII
藤井 麻衣
提携販売部 提携販売グループ チーフ
2006年中途入社
世の中には、家族旅行を心から大切にしている人たちがいる。
藤井は、ある家族旅行を知ることで、改めて家族4人の旅をしたくなった。
目的地は母が希望した九州の五島列島。
意外にも旅行中、一番嬉しそうだったのは父だった。
「旅は家族の気持ちを一つにする」そんな思いを持てた。
EPISODE
01
EPISODE
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自立のために始めた旅行

私が旅行好きになったのは、大学時代です。旅行を始めた動機は、知らない土地への興味というよりも、自立を意識したためです。子供の頃から、どちらかというと控えめな性格で、自分で決断して行動するのが苦手な性格でした。そのうえ、実家暮らしを続けていたので、大学生になっても何かにつけて家族を頼っていました。「このままでは一人では何もできない大人になってしまうかも」と不安になりました。それで、友人と旅行に出かけたり、カナダに短期留学でホームステイしたりといったことを始めました。青春18きっぷを使って、東北地方を一人旅したこともあります。

大学3年生の頃には、すっかり旅行好きになって、卒業後は「旅行会社に勤めたいな」と思い、旅行業界を中心に就職活動をしました。私の卒業の年はジャルパックの採用がなかったこともあり、ほかの旅行会社に入社を決めました。卒業旅行は、高校時代から仲の良かった友達と二人で、中欧ヨーロッパを旅行しました。友人がチェコの地下鉄で国際学生証を入れておいた財布をすられたり、ハンガリーからオーストリアに行く列車内の検問で引っ掛かって国境の駅で足止めさせられたり、ウィーンで大雪に見舞われて観光できなかったり、トラブル続きの散々な旅でしたが、私が旅行を嫌いになることはありませんでした。

2004年、カナダ留学中に訪れたナイアガラの滝にて。
同じく、トロントアイランドから見たトロント市。
EPISODE
02
EPISODE
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旅行の企画がしたくて転職

2005年、新卒で就職した旅行会社では、Webサイトを見て海外旅行予約の電話をかけてこられたお客さまの応対を担当していました。旅行の企画を希望して入社したものの、社員が大勢いるこの会社にいては、目標の実現までの道のりは遠そうだなと感じたことや、「いけいけどんどん」で猛進する雰囲気の社風が控え目な私の性格に合わなかったことも手伝い、1年で転職を決意。「航空会社系の旅行会社なら、落ち着いて仕事ができるのでは」と考えて、ジャルパックを受け直し、2006年、採用されました。社会人になってからも旅行は相変わらず好きで、転職する間を利用して、英国に留学中の友人を訪ね、ロンドンを観光したりしていました。

ジャルパックでは、念願の海外企画商品事業部に配属になり、ハワイを担当してパンフレットの作成などを行うことになりました。当社の第一印象は、人の温かさを感じることでした。皆さん言動は穏やかなのに、仕事はちゃんとしていて凄いなと思いました。私がハワイの担当になったということで、両親と「ハワイに行ってみようか」という話になり、2008年にオアフ島とハワイ島に行きました。母が「ハワイは新婚旅行以来」と言って喜んでいたのを覚えています。私は東南アジアが好きなので、母と姉と三人で、台湾、シンガポール、香港などを旅行したのもこの頃です。しかし、仕事に多忙な父とは、この時のハワイ旅行以来、一緒に旅することはありませんでした。

2005年、中欧への卒業旅行で訪問したベルリンにて。
同じく、卒業旅行で訪れたドレスデン。雪が積もり、とても寒かったことを覚えています。
EPISODE
03
EPISODE
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「これが最後の家族旅行」というお客さま

海外商品事業部でウエディング会社の担当や価格策定などの仕事にも取り組んで7年が過ぎ、2013年、コールセンターのJALナビアに出向になりました。私は旅行予約サイト「JAL eトラベルプラザ」を利用して予約を完了されたお客さまの応対が担当です。当時の気持ちを率直に言うと、「ジャルパックに入る前の会社のときのように、またオペレーターをすることになるんだ」と少し気落ちしました。しかし、今思えば、「お客さまの様子をもっと知って、より良い仕事をするのに役立ててください」という意図があっての異動だったことがわかります。

私がお客さまから受ける要望は、例えば、「ネットの不具合で決済が完了できなかった」「ネットで予約したツアーにオプションを追加したい」「マイルで支払う方法を教えてほしい」など、Webでの予約についてのあらゆる事柄に及びました。私は、JALナビアで仕事をしているうちに、お客さまが予約される旅行には、往々にして特別な理由があることが、わかってきました。
「多分、これが子供と行く最後の旅行です」
「親がもう高齢なので、一緒に飛行機に乗るのは最後になると思います」
そういった話をお客さまからたびたび伺いました。多くの人が、家族旅行に深い思いを託していることに心を打たれました。

なかでも台湾で生まれ育った両親を持つ、ある女性のお客さまから「高齢の親を台湾に連れて行き、昔住んでいた土地を訪ねたいのだけど、場所がわからない。なんとかならないでしょうか」という相談を受けたときのことは、よく覚えています。ご両親が記憶している事柄を、できるだけ詳しく娘さんに聞き出してもらい、それを私がオペレーション部門を通して現地の事務所に伝えて、「ここではないか」という場所までご家族をご案内することにしたのです。

お客さまが旅行から戻られたあと、ウェブのメッセージボードに「お世話になりました。本当にありがとうございました」と感謝の言葉をいただきました。何十年も前の記憶と景色が変わっていたため、全く同じ場所かどうかはわかりませんでしたが、「この辺りだろう」という所まで行くことができたとのことでした。想像してみると、ご両親にとられてさぞや思い出深い旅になったのではと思います。私自身、何だか心が温まるような気持ちになり、「良かったなあ」とホッとして、後々まで印象に残る出来事になりました。

EPISODE
04
EPISODE
04

私も家族旅行をしよう!

JALナビアに勤務して、高齢になった親と旅行をされるお客さま方が多いことを知った私は、「私も家族で旅行がしたい」と思うようになりました。思い返せば、両親揃って一緒に旅行したのは、私が社会人になったばかりの2008年、ハワイ旅行が最後ですからずいぶん前の話です。

「どこか行きたい所はある?」と母に尋ねると、母は「五島列島」と答えました。そういえば、母は10年ぐらい前から「九州の五島列島に行ってみたい」と、時々言っていました。テレビか何かで知ったらしく、「風景のきれいな所らしいから行ってみたい」と。それで、2018年の秋に、家族みんなで五島列島に旅行することに決めました。計画を立てるのは、もちろん旅行会社に勤めている私の役割です。五島列島は福江島や中通島など大小100を超える島からなっています。家族のスケジュールを合わせて日程は3泊4日に決め、長崎まで飛行機を利用し、船で福江島まで行くことにしました。中通島に朝日と夕日のどちらも見える素敵なホテルがあるので予約したのですが、島と島を結ぶ船の便が少なくて、旅程をつくるのに苦労しました。

母と私、あるいは母と姉と私の旅行は、これまでもありましたが、両親と姉妹の4人そろっての旅行は久し振りです。さらに以前の私は、父がそばにいると気ままな行動ができないため、煩わしく感じたものです。20代で両親とハワイに行ったときは、自分が「楽しみたい」と思ってばかりいて、内心、家族で行くのは面倒と思っていました。それが、あれから10年が経ち、私が大人になったのか、「歳を取った両親に旅行を楽しませてあげたい」と思う気持ちが強くなっていました。ですから、旅の間は「どうしたら喜んでもらえるか」と、そればかりを考えていました。

EPISODE
05
EPISODE
05

一番喜んだのは父でした

五島列島は隠れキリシタンの史跡や教会で有名ですが、私たちは家族でのんびりするための旅行だったので、観光よりも食事をしている時間が楽しかったです。というのも、自宅では食事のときに全員そろうことは多くないし、集まってもあまり話もしないのですが、旅先の宿の食事では、みんなでたくさん話をしました。話の内容は「この料理はおいしいね」といったたわいないものですが、私はその時間がとても幸せでした。夕食のとき、父に付き合ってお酒を少し飲むと、父は嬉しそうでした。父は今回の五島列島の旅が、よほど楽しかったようで、「こういう旅行に、みんなでまた行きたいね」と食事のたびに言っていました。

父はもうすぐ70歳で退職する予定です。五島列島から戻ってからというもの、「そうしたら、いつでも行けるよ」と言って、次の旅行を待ち遠しそうにしています。私は私で、「次は、家族そろってハワイに行こうか」と、早速、案を練っています。両親は新婚旅行でオアフ島とカウアイ島に行っているし、ハワイ島は私が就職して一緒に行ったので、次は行ったことのないマウイ島がいいかなとか、もうあれこれ考えています。マウイ島は観光的要素が少ない分、のんびりできそうです。働き詰めだった父に、「退職記念にハワイ旅行をプレゼント」なんていいかなと思ったりしています。

2018年、家族で行った五島列島への旅。写真はルルドの泉で有名な福江島の井持浦教会です。
同じく五島列島への家族旅行時にホテルで食事中の一コマ。この旅行は、とりわけ父が一番喜んでくれました。
EPISODE
06
EPISODE
06

旅行の仕事で社交的な性格に

2017年、私はJALナビアからジャルパックに戻り、現在は提携販売部で、社外の旅行販売サイトとの交渉などを担当しています。旅行会社で仕事をするようになってから、自分の性格や行動が社交的になった気がします。新入社員の頃は、知らない人と話をするのは苦手だったのですが、仕事上、さまざまな人と打ち合わせをしたり、交渉したりしているうちに慣れてきたのか、最近では人と話をする時間が楽しくさえ感じます。

社外の旅行サイトの方々と連携して取り組む今の仕事は好きで、まだまだ続けていきたいと思いますが、一方で新しいことにチャレンジしたい気持ちもあります。いつかは、人事や経営企画など、会社全体にかかわる仕事もしてみたいなと。自分の家族への気持ちや仕事に対する意欲は、幾つになっても同じだと思っていましたが、人は年月とともに変わっていくものなのですね。旅に関わるからこそ、変わった自分なのかもしれません。

CAREER PATH
2006年
海外企画商品事業部 ハワイ企画グループ
2013年
JALナビア ツアー部 海外ツアー室 eトラベルプラザ(出向)
2017年
Web販売部 Web販売グループ
2019年
提携販売部 提携販売グループ

「ミュージカルなど舞台芸術が好きで年間20公演ぐらい見ています。お気に入りの作品は、オーストリア皇后の生涯を描いた『エリザベート』。ロンドンのウエストエンドで見た『マンマ・ミーア!』、ニューヨークのブロードウェイで見た『アラジン』など、旅先で見たミュージカルは、取り分け印象に残っています。」