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藤田 克己
藤田 克己
代表取締役社長
ジャルパックの事業戦略について
まだまだある潜在需要を開拓し、さらなる成長を
 『旅』は、人間活動の根幹であり、今では海外との往来も当たり前という時代になりました。ジャルパックは1964年、日本航空によって、初めてツアーコンダクターが同行する本格的な海外パッケージ旅行ブランドとして誕生し、現在は海外・国内を問わず「いい旅、あたらしい旅。」をお客さまにお届けしています。
 ジャルパックの強みは、JALグループのホールセラーであることです。JALのホームページやJALマイレージバンクの会員誌、機内ビデオなどJALの媒体を通じて多くの方にジャルパックをご紹介できるのはもちろん、JALがオフィシャルエアラインを務める東京ディズニーランド®、東京ディズニーシー®や、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン®などの旅行商品においては、スポンサー企業だからお客さまに提供できる特典も多数あります。
 近年はWebによる販売にも力を入れ、航空券と宿泊をお客さまご自身で自由に組み立てることのできる、「ダイナミックパッケージ」といった利便性の高い商品にも積極的に取り組んでいます。また、旅のプロであるジャルパック社員がとことんこだわって創り上げた「ポレイア」をはじめとした、お客さまの期待を上回る旅行商品で「いい旅、あたらしい旅。」を追求し続けています。

 2015年はビザ緩和や円安の影響もあってインバウンドが爆発的に増加し、アウトバウンドと逆転するという歴史的な年となりました。今後もインバウンドは増加していくと思いますが、インとアウトがバランス良く発展することが日本の経済発展のためには不可欠です。
 アウトバウンドについては、日本人の出国率はいまだ13%(※)に過ぎず、欧米はもちろん、アジアの国々にも遠く及ばず、まだまだ発展の余地があると考えられます。
 (※)2013年統計
 国内旅行の方は、地方創生や新幹線網の延伸などもあり堅調に推移しています。将来は少子化による人口減少の懸念はあるものの、新たな観光素材の発掘、スポーツや他産業との連携で新しい観光モデルが開発され、拡大していくでしょう。
 旅づくりのポイントは、どのような価値観で、どのような魅力を旅に付与できるかです。最近、当社で取り組んでいる商品の一つに、「女性のひとり旅」があります。このような潜在的なニーズはまだまだ幾らでもあると思います。要は、どうやってそれに気付き、掘り起こせるかです。アイデアと知恵を集約すれば、今後も成長の余地は多分にあるのです。
 ダーウィンは「生き残るのは、最も強い者でも、最も賢い者でもない。唯一、生き残ることができるのは、変化できる者である」と言っています。ますます変化が加速する旅行マーケットの中で、既存の考え方、従来通りの仕事の仕方をしているだけではなく、斬新で自由な発想、チャレンジしようとする強い想いと実行力が必要です。
企業で働く意義について
仕事は人格である
 私の経歴について話しましょう。1981年、日本航空に入社した私は、札幌支店のカウンターに配属されました。カウンターは航空券の案内をする場所と思っていましたが、最初にお客さまから聞かれたことは、JALのことではなく市内のデパートの場所がどこかでした。正直に申せば、まともに答えられませんでした。そのときつくづく思ったことは、お客さまはカウンターにいる私がJAL社員であるかどうかなど全く問題ではなく、教えて欲しいことを知っているかどうかが問題であると同時に、私を通じてJALというブランドの印象が良くも悪くもなるということでした。まさに「サービスとは何ぞや?」です。このときもそうですが、以後、「お客さまからのお問い合わせには誠心誠意対応すべし」と肝に銘じ、私の仕事の原点になりました。
 入社5年目の1985年には、御巣鷹山事故を経験しました。B747運航乗員部にいた時で、パイロットご家族の世話役として現場に向かうよう指示されました。上司から「これから厳しい仕事をすることになるが、仕事は人格そのものだ。藤田、頼むぞ」と、送り出されたことは今でも忘れられません。どんな場合にも会社人として責任を持って対応する、何ごとも誠意を持って臨む。30年以上も前の「仕事は人格そのものだ」という言葉の持つ重みと経験は、今日に至るまで会社人生の礎になっています。

 その後も北京支店からの帰任直後に起きた天安門事件、国際営業マーケティング在籍時には湾岸戦争、そして、2010年にJALの経営破綻など、様々な経験をしました。まさに「一寸先は闇」。何が起こるかわかりませんが、それに対応していくのが会社人です。
 ただ、ものは考えようです。先行き不透明で不安を感じることもありますが、もしかすると、とてもいいことが待っているかもしれません。JALフィロソフィでは「常に明るく前向きに」、「昨日よりは今日、今日よりは明日」と謳われています。希望を持って生きた方が、豊かで楽しい人生になるでしょう。
 私は、まさにお客さまをこういう気持ちにさせるのが、私たちジャルパックの役目だと思っています。ワクワク感、昂揚感、期待を上回る喜び、新しい出会いや出来事、そして大きな感動‥‥。旅行には大きな力があります。
 目指すのは、安心と品質の「いい旅、あたらしい旅。」をお客さまに喜んでいただくこと。一人でも多くの人を元気にする、そんな商品をつくり続けていきたいと思います。
若者へ贈る私の人財論
感動体験をして、自分ならではの主張を
 ジャルパックは、2015年、JCSI(日本版顧客満足度指数)調査の旅行部門において、「顧客満足」と「知覚価値」の2部門で初めての1位を獲得しました。
 お客さまにご満足いただくためには、お客さまが何を望んでいるのかを肌で感じることが必要です。社員には、お客さま視点をさらに向上させるために、お客さまに触れる機会を増やすように配慮しています。「フロントライン研修」といって、たとえば、空港のカウンター、旅行会社へのセールス、コールセンターで体験研修を行ったり、ホノルルマラソンや初日の出チャーターなど、実際のツアーに同行してお客さま視点を養う機会をつくっています。
 そして、お客さまが行きたいと思う旅行商品をつくるためには、私たち一人ひとりがプロフェッショナルでなければいけません。この人に聞けば、その地域のことやホテルのことなら何でも知っているというような、旅行企画のプロフェッショナルです。そこには、消費者としての目線や、その土地の人が気付かない魅力を見つける感性も必要です。
 また、「自分はこうしたい」というはっきりとした意志を持っている人を歓迎します。創造変革する人。組織に一石を投じる人など、いろいろな個性の人に来てもらいたいと思います。そして、周りの人が思いつかないことをどんどん言ってください。どんどん自己主張して、前向きにチャレンジしてください。
 ジャルパックは、みんなが明るく楽しく、伸び伸びと意見を言い合う自由闊達な社風です。世間では、会社に入ると小さくまとまる人が多いですが、いつまでも個性を失わないで成長していって欲しいと思います。
 最後に、「若者よ、旅に出よ」と私は言いたい。知らない場所、行ったことがない土地に行ってみてはどうだろう。そこには感動があるはずです。いろいろなことに興味を持って、たくさんの感動体験をしてください。グローバルな人間になるためには外に出ることです。そして、夢を持ってください。夢は見るものではなく、実現するものです。ジャルパックに入って素晴らしい人生をともに送りましょう。
プロフィール
1958年生まれ。栃木県出身。大学は商学部に進み、交通論のゼミで卒論テーマに航空を選んだことがきっかけで、1981年にJALに入社。小学校は野球、高校はバスケットと運動に打ち込んでいたが、大学では合唱団に熱中。1990年にはイタリアのヴェローナ音楽祭で、三大テノールのパヴァロッティと同じ舞台に立ったのは忘れられない思い出。現在も機会があれば様々な合唱に参加する。好きな音楽はクラシックと日本のポップス。座右の銘は「精神一到何事か成らざらん」。

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